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インタビュー

2025.09.12

【世界陸上応援記事】
アスリートフードマイスター1級土屋里恵さんの陸上長距離選手におすすめのバナナとパインの活用方法

土屋 里恵 アスリートフードマイスター 土屋 里恵

2025年9月13日~9月21日に、「世界陸上競技選手権大会」が34年ぶりに東京で開催されます。 トラック競技の短距離走やリレー、跳躍や投てき、マラソンといった49種目で世界一をかけた真剣勝負が国立競技場にて繰り広げられます。 この大会を盛り上げるスペシャルアンバサダー、俳優の織田裕二さんとともに、世界陸上で体感しましょう。 国立競技場での熱戦を間近で応援できるチケットを、ぜひ手に入れてみてはいかがでしょうか。 その中でも特に注目したいのが42.195kmを舞台にしたマラソンです。 暑さと都心のアップダウンの中、世界のトップランナーたちが限界に挑む過酷なレースです。 マラソンをはじめとする長距離種目では、最後まで走りきるための持久力と効率的なエネルギー補給が鍵になってきます。 その味方となるのが、身近な食材のバナナとパイナップルです。 ここからは、長距離ランナーの皆さんの味方になるバナナとパイナップルの具体的な働きや摂取方法について見ていきましょう。

いつでも、どこにいても、補給ができる世界の補食「バナナとパイン」
持久力の味方、バナナとパイナップルで走りを
サポート

長距離走における栄養補給の重要性

陸上競技の中でも競技者の多い長距離走ですが、どの競技も数kmから数十km走るため、身体に大きな負担がかかります。 そのための主なエネルギーとして「糖質」があります。 糖質は筋肉や肝臓に「グリコーゲン」という形で蓄えられ、運動中にこのグリコーゲンが分解されエネルギーになります。 しかしグリコーゲンの貯蔵量は限られるので、長距離走などでは途中でエネルギーが足りなくなり、疲れやすくなったり、スピードが落ちてしまったりすることがあります。 マラソン経験者の方の中で、練習やレースの後半に急に身体が重くなって動けなくなってしまった経験がある方もいるのではないでしょうか? まさにこれが「ハンガーノック」とよばれる状態です。 これは、走っている最中に血糖値が下がりすぎて、エネルギー切れを起こしてしまうために発生するのです。レースや練習中はハンガーノックにならないため、いかに血糖値が下がらないように一定に保てるかがポイントになってきます。そのため、走る前後はもちろん、走っている途中でも適切に糖質補給をすることが大切です。 日頃から「欠食」や「食間の空き過ぎ」が多い方は、体内のグリコーゲンが枯渇しやすいので、食事を抜かないこと、食間が長い方は糖質を補食として取ることをおすすめします。 また長距離走では筋肉はもちろん、内臓にもダメージが蓄積されるため、食欲がなかったり、思うように食事を取れないアスリートもいます。 そのような方は、走り終えた後に胃腸に負担がかからないよう、消化の良いたんぱく質やビタミン、ミネラルをバランスよく取ることが大切です。それにより筋肉のコンディションを整え、次のトレーニングやレースに向けて身体をしっかり回復させることができます。

バナナがエネルギー源としておすすめな理由とは?

運動をする方にとって、バナナはおなじみの補食ですが、その理由は食べやすさだけではありません。 走るために必要な栄養がたっぷり詰まっているからです。
1. 吸収速度の異なる糖質が含まれている

バナナにはブドウ糖や果糖といった、素早く吸収される糖質が含まれています。またショ糖、でんぷんなど、持続的にエネルギーとなる糖質も含まれており、種類の異なる糖質がバランスよく含まれているフルーツです。それぞれ吸収速度が違ううえ、水分も多く消化吸収も良いので、運動前30分~1時間程度でも摂取できるフルーツといえます。
また、緊張や不安から身体の不調が起こりやすい方にも安心です。
特にレース前のカーボローディング(持久力の要るスポーツで、そのエネルギー源となるグリコーゲン量を競技前に増やす食事法)時は、糖質量が増え血糖値が上がりやすくなるため、身体の怠さや眠気を感じる方もいらっしゃるかと思いますが、バナナは血糖値の上昇も緩やかになるので、こういった問題も起こりにくくなります。

2. 手に入りやすく持ち運びやすい

コンビニなどの身近なお店で手軽に買え、持ち運びもしやすく、常温で管理できるので、普段の練習前後の補食として取り入れれば、エネルギー切れ防止のために役立ちます。

3. カリウムが含まれている

エネルギー補給だけではなく、汗で失われやすい「カリウム」もバナナにはたくさん含まれているので、練習中やレース中によく脚がつる、つりやすい方の対策にも有効です。

パイナップルが疲労回復におすすめな理由とは?

ハードな練習後やレース後の疲労回復のために、たんぱく質を意識して取っている方も多いと思います。 しかし冒頭でお話したように、運動後の身体には大きな負担がかかっていることが多く、ステーキなどの塊のお肉が上手く消化できず胃がもたれたり、お腹の不調が出る方もいらっしゃいます。そこで役立つのが、パイナップルです。
1. ブロメラインが消化吸収をサポート

パイナップルには、たんぱく質分解酵素「ブロメライン」が豊富に含まれているので消化を助け、たんぱく質やアミノ酸の吸収を高めます。ハードな運動後で身体が疲れているときでも、スムーズな栄養補給をサポートする効果が期待できます。また、運動後の筋肉のコンディショニング効果も期待されています。

2. ビタミンCがストレスに対抗

パイナップル100gあたり、ビタミンCは約35mg含まれています。ビタミンCには、運動によって体内に発生する活性酸素を中和する抗酸化作用が期待でき、酸化ストレスへの対抗や免疫力の低下も防ぐとされています[1]。

3. ビタミンB1、B6が代謝をサポート

また、パイナップルにはビタミンB1、B6も含まれています。糖質とタンパク質のエネルギー変換や代謝を助けてくれるので、筋肉のコンディションを整えてくれる働きもあります。

バナナとパイナップルの摂取タイミング

バナナのおすすめ摂取タイミング

1. 運動1時間前~30分

運動中のエネルギー補給

2. 運動中

持久力の維持(血糖の維持)

3. 運動直後30分以内

コンディショニングのためのエネルギー補給

4. 朝食や補食

欠食しやすい朝食の栄養補給および食間が空きすぎてしまうときのエネルギーの維持

パイナップルのおすすめ摂取タイミング

1. 運動直後

コンディショニング、水分補給、ビタミン補給

2. 食後のデザートとして

たんぱく質の消化を助ける

3. 補食

ビタミン補給

※食物繊維が多いため、胃腸の不調につながることがあります。レース前を含む運動前は控えましょう

気温が高い時期には、冷凍したバナナを練習前後に取ることで、身体のクールダウンやエネルギー補給ができます。また練習後には冷凍したバナナやパイナップルを取ることで、心身のリフレッシュにつながり、コンディション維持にも役立ちます。

おすすめレシピ 「米粉でつくる! マグカップで簡単バナナケーキ」

バナナや米粉、はちみつでエネルギー補給ができるうえ、糖質をエネルギーに変えてくれるビタミンB1を
含むきな粉も使っているので、補食や朝食、カーボローディング時におすすめです。 特に小麦製品を取ると
お腹の調子が悪くなってしまう方にとっては、グルテンを含まない米粉を使用しているので不調が起こり
にくいレシピです。

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材料

・バナナ 1本
・米粉 30g
・ベーキングパウダー 3g
・卵 1個
・きな粉 お好みの量 
・はちみつ お好みの量
※バナナの甘味で充分美味しいですが、カーボローディング時などエネルギーが欲しい時はプラスしましょう。

作り方

1. マグカップにバナナ1本を入れて、スプーンなどですり潰す。
2. 1.に米粉、ベーキングパウダー、卵を入れてよく混ぜる。
3. 2.を電子レンジで600wで2分、加熱する。
4. 電子レンジから取り出し、マグカップのままでも、お皿に取り出してもどちらでもOK。仕上げに、きな粉とはちみつをかけて完成!

まとめ

長距離走選手にとって充分なエネルギー補給と素早い疲労回復は、日頃の練習のパフォーマンス安定にも繋がります。 バナナは、持久的な長い距離を走り続けるための安定したエネルギー源、パイナップルは走り終えた身体のコンディションを整えてくれるフルーツです。さらには糖質、ビタミン、ミネラル、消化酵素も含まれていて、身体全体にダメージが及びやすい長距離走選手には、ぴったりな食材です。 どちらも身近に購入でき、日々の食事や練習場でも気軽に取れる補給食です。 ぜひ、皆さんの生活パターンや消化能力に合わせて、自分にとっての効果的な取り方を見つけ、パフォーマンスをさらに上げましょう。 最後に世界陸上に挑むアスリートの皆さん、まだまだ厳しい暑さが続く東京でのレースは過酷ですが、その厳しい環境だからこそ生まれる集中力や粘りが見どころになると思います。 積み重ねた、これまでの努力を信じて、自分らしい走りで最後まで駆け抜ける姿を応援しています。

参考文献
[1] 文部科学省.“日本食品標準成分表(八訂)増補2023年”,https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html, (参照 2025-9-2).

土屋 里恵

土屋 里恵 Rie Tsuchiya

ボディーメイクトレーナーとして仕事をする傍ら、マラソン競技者をしてました。
食の知識は勿論、自分自身の経験から得たものを伝えていきたいと思います。
フルマラソンベストタイム 3時間9分7秒

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ボディーメイクトレーナーとして仕事をする傍ら、マラソン競技者をしてました。
食の知識は勿論、自分自身の経験から得たものを伝えていきたいと思います。
フルマラソンベストタイム 3時間9分7秒

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