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イトバショウの葉鞘(ようしょう)という、茎を覆う筒状の部分から取った繊維を用いて糸を紡ぎ、その糸から織った布のことです。
イトバショウは、バナナの始祖種であるムサ・バルビシアーナの変異種で、リュウキュウイトバショウとも呼ばれます。食用には不向きで、沖縄や奄美群島ではもっぱら繊維採取のために栽培されています。
芭蕉布の歴史は古く、1600年代には芭蕉布が徳川幕府への献上品であったことが文献に記載されており、この頃にはすでに芭蕉布が琉球王国で織られていたことがわかっています。
芭蕉布は薄くて軽いながらも張りがあり、風通しの良い生地で、現在も沖縄県の大宜味 (おおぎみ) 村の喜如嘉 (きじょか) を中心に県内、奄美群島でつくられています。
沖縄が日本に復帰した2年後の1974年には、「喜如嘉の芭蕉布」として、国の重要無形文化財に指定されました。