メディア担当の方
バナナ中級編はいよいよラスト2問です!
Q4 . 歴史上、世界的なバナナ生産に大きな影響を与えた病気は何ですか?
以下に回答と解説があります。
回答
かつて、バナナ生産に大きな打撃を与えた病気は「パナマ病」です。
「パナマ病」という名前は、中米カリブ海にあるパナマという国から取られたものですが、本病の大発生が最初に報告された地域に由来しています。
1890年から1960年ころにかけて、パナマを含む中米カリブ海地域の約40,000haのバナナ生産地域が、この病気によってによって被害を受けました。
特にこの病気は、当時世界中で生産されていた「グロスミッチェル種」を襲い、全世界にあっというまに広がり、バナナ産業に甚大な影響を与えました。
パナマ病は土壌中のフザリウム菌(Fusarium oxysporum)によって引き起こされ、感染したバナナは根から病気が進行し、最終的には植物が枯死します。この問題により、パナマ病に抵抗のあったキャベンディッシュ種がグロスミッチェル種の代わりに主流の品種となりました。
ただし、現在のキャベンディッシュ種も、パナマ病菌のうちトロピカルレース4(TR4)とよばれる種類に感染するため、再び世界のバナナ生産が脅威に晒されている側面があります[3]。そのため、現在、多くの研究者たちが、パナマ病を防ぐ手段や新たな改良種の開発などを行っています。
[3] 柏毅, 有江力. バナナパナマ病の分子診断法に関する最近の話題, 東京農工大学農学部植物病理
学研究室, 植物防疫, 2015, 第69巻, 第6号, p.45-47.
https://jppa.or.jp/archive/pdf/69_06_45.pdf, (参照2024-7-25)
沖縄県でアボカドやバナナなど、他多数の熱帯果樹の栽培をしている。
同時に、それらの栽培方法や果樹の特徴などをyoutubeやブログなどにて情報発信をしている。
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沖縄県でアボカドやバナナなど、他多数の熱帯果樹の栽培をしている。
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