メディア担当の方
現代に至るまでに、地球をぐるりと回って旅して来たのかと思うと、その辿った道はロマンチックでもあります。
日本には1830年に小笠原諸島の父島に植えられたのが最初といわれ、1845年にはオランダから長崎に伝えられました。また、沖縄には1866年に座礁したオランダの漂流船から苗が漂着し、石垣島に伝えられました。
産業として成り立つのは、スムース・カイエンが1927年に台湾から沖縄に導入されて以降。1935年には沖縄八重山地域で栽培が始まりました。
現在では、沖縄が日本で1番の産地に。桃のような味わいで人気の【ピーチパイン】を生み出し、新しいパイナップルの可能性を追求しています。また、パイナップル畑サトウキビ畑と並び広がる様子は絶景。フォトジェニックな風景がそこにあります。
例えば、市場では果物扱いのイチゴやスイカは、農林水産省の基準では「果実的野菜(果実を食用とする野菜)」として扱われています。「果樹」は「2年以上栽培する草本植物及び木本植物であって、果実を食用とするもの」と定義されているからです。したがって「果樹」でないイチゴやスイカは、国土地理院発行の地図記号では「畑記号」が使われます。
しかし、周囲を困らせたのがパイナップルでした。れっきとした果物なのに、実がなると元から切り取ってしまい、同じ苗からは収穫しないのが一般的。果物らしくもなく、といって野菜らしくもないのです。
結局、国土基本図などの大縮尺図には、果樹を表す○と双葉を表すVを組み合わせたパイナップル専用の地図記号が採用されることになりました。目にする機会があったら、ぜひ、○とV の希少な記号を探してみてくださいね。
(ただし、2万5千分1地形図図式ではパイナップル畑は「畑」として扱うことが明記されています。)
パイナップル専用の地図記号は
果樹を表す○と双葉を表すVを組み合わせた
左図のような記号です。
一般の人には、パイナップルは缶詰でしかほとんど知られていない時代。生の果実丸ごとは、高級品で珍しく、もちろん切り方もわからず四苦八苦します。そして、いざ食べてみると…。そんな状況と登場人物の心情がうまく重ねられ、巧みな小道具として使われていました。
さて、切り方もわからなかった時代から50年経った現代。パイナップルの味は老若男女が周知。店頭では、すでに切り分けられた状態のカットフルーツとなって並び、気軽に楽しめるようになりました。
パイナップルは世につれ、世はパイナップルにつれ。そんなことを考えながら、ぜひ、味わってください。
<参考>
フルーツ検定公式テキスト(実業之日本社)
果実の事典(朝倉書店)
農林水産省(中央果実協会 説明資料より)
おもひでぽろぽろ(文春ジブリ文庫)
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