メディア担当の方
今回はバナナクイズ中級編となります!
少し専門的な問題もあり、難しいかもしれませんが。
解説を読んでバナナの品種に詳しくなること間違いなしです。これであなたもバナナ博士?!
Q1 . バナナの追熟に寄与する植物ホルモンはなんですか?
回答
バナナの追熟に寄与する植物ホルモンはエチレンです。
エチレンはバナナなどの追熟果物の熟成を促進させます。バナナの色、風味、質感が変化し、果肉
が柔らかくなり甘みが増します。このホルモンは、果肉内のデンプンを糖に変える酵素の活性を
高めます。
バナナは自らエチレンの産生をするのですが、商業的な流通では、より追熟を早めるために、ガ
ス状のエチレン剤を人工的に与えることが一般的です。市場流通の際、バナナは未熟な状態で収穫
されますが、熟成室でエチレンガスが供給されることによって追熟されます。このプロセスでは、
エチレンが果物に均一に行き渡るように、適切な温度と湿度の管理が行われ、エチレンの濃度を厳
密に制御します。この処理を行うことで、バナナの果皮も未熟な緑色から、食べ頃の黄色へ変化
します。
Q2. バナナの品種は世界中でどのくらいありますか?
回答
世界中にはすでに数えられないほど多くの品種のバナナが存在します。
バナナはもともと、Musa acuminataとMusa balbisianaという二つの野生種の交配によって生まれたもので、現在は、栽培品種としてさまざまな環境に適応して多くの種類が存在します。バナナは遺伝的多様性も大きく、さまざまな気候や土壌の条件に適応する品種が作られており、とても大きな豚足バナナとよばれるものや、モンキーバナナのような小さいものなど、形やサイズもいろいろなものがあります。
また、果皮の色も黄色ではなく、モラードバナナなどの赤茶色のもの、ブルージャワのような多少青みがかったものまでさまざまです。味もそれぞれの品種によって違います。
代表的な品種は、2001年に国際なバナナの遺伝資源研究をしているINIBAP(International Network for the Improvement of Banana and Plantain)[1]がムサログ[2]というバナナのカタログを提供しているので、そちらをご覧ください。
[1]INIBAP, https://www.promusa.org/INIBAP(参照2024-7-25)
[2]Musalogue (a catalogue of Musa germplasm): Diversity in the genus Musa, CGIAR,2001, https://cgspace.cgiar.org/items/be299324-86e7-4dbf-8868-25873e91fd62 (参照2024-7-25)
Q3 . 世界中で最も広く食べられているバナナの品種とその特徴は何ですか?
回答
世界中で最も一般的に食べられているバナナの品種はジャイアント・キャベンディッシュ(キャベンディッシュ)です。
この品種は国際貿易において最も流通しており、その生産は世界のバナナ生産の約40~50%を占めています。キャベンディッシュは、黄色く熟した時の甘さとクリーミーな質感が特徴です。
また、輸送にも強く、収穫量も多いことから、世界的にかなり人気のある品種です。
ただし、最近では単一の品種を多くの地域で多量に栽培しているため、病気に対する脆弱性が問題となってい
ます。
Q4 . 歴史上、世界的なバナナ生産に大きな影響を与えた病気は何ですか?
回答
かつて、バナナ生産に大きな打撃を与えた病気は「パナマ病」です。
「パナマ病」という名前は、中米カリブ海にあるパナマという国から取られたものですが、本病の大発生が最初に報告された地域に由来しています。
1890年から1960年ころにかけて、パナマを含む中米カリブ海地域の約40,000haのバナナ生産地域が、この病気によってによって被害を受けました。
特にこの病気は、当時世界中で生産されていた「グロスミッチェル種」を襲い、全世界にあっというまに広がり、バナナ産業に甚大な影響を与えました。
パナマ病は土壌中のフザリウム菌(Fusarium oxysporum)によって引き起こされ、感染したバナナは根から病気が進行し、最終的には植物が枯死します。この問題により、パナマ病に抵抗のあったキャベンディッシュ種がグロスミッチェル種の代わりに主流の品種となりました。
ただし、現在のキャベンディッシュ種も、パナマ病菌のうちトロピカルレース4(TR4)とよばれる種類に感染するため、再び世界のバナナ生産が脅威に晒されている側面があります[3]。そのため、現在、多くの研究者たちが、パナマ病を防ぐ手段や新たな改良種の開発などを行っています。
[3] 柏毅, 有江力. バナナパナマ病の分子診断法に関する最近の話題, 東京農工大学農学部植物病理
学研究室, 植物防疫, 2015, 第69巻, 第6号, p.45-47.
https://jppa.or.jp/archive/pdf/69_06_45.pdf, (参照2024-7-25)
Q5 . 日本国内でもバナナは作られていますか?
回答
はい。日本国内でもバナナは作られています。
主に沖縄県全域で作られていますが、鹿児島県南部、九州や四国沿岸部などの一部の地域では、温暖な気候を生かして屋外での栽培が行われています。
また、その他の地域では、温室を利用した栽培が試みられてます。また、バナナは大きな葉っぱが魅力の一つで、趣味の園芸としても楽しまれています。
沖縄県では、各地にあるファーマーズに必ずと言っていいほど沖縄県内で作られたバナナが売られています。小ぶりで酸味と甘みのバランスが特徴的な島バナナとよばれるものや、甘味が強くもっちりとしているナムワバナナ、調理兼用種のアイスクリームバナナ、酸味が強く濃厚なブラジルバナナなど、多くの品種が出回っています。
バナナは元々熱帯及び亜熱帯地域の植物であり、高温多湿の環境を好みます。バナナの成長には最低でも15°C以上の温度が必要ですが、理想的な成長温度は25°C~30°Cです。最低温度は5℃程度と、寒さにそこまで強くはないですが、数時間ならマイナス気温にも耐える品種もあります。
沖縄県でアボカドやバナナなど、他多数の熱帯果樹の栽培をしている。
同時に、それらの栽培方法や果樹の特徴などをyoutubeやブログなどにて情報発信をしている。
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沖縄県でアボカドやバナナなど、他多数の熱帯果樹の栽培をしている。
同時に、それらの栽培方法や果樹の特徴などをyoutubeやブログなどにて情報発信をしている。
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