メディア担当の方
私たちの体の中には体内時計と呼ばれるシステムが存在します。そのリズムは24時間より15-30分程度長いため、24時間に合わせるリセットをする必要があるのです。
体中至る所にある体内時計ですが、脳の視交叉上核にある主時計は朝の光で24時間周期を刻む一方で、その他の副時計は朝ご飯を食べることによって直接24時間周期に体内時計を合わせることが解っています。つまり朝の光や朝食は人を朝型にするのに重要な刺激であるのです。
最近の研究で、運動にも主時計(脳内の時計)と末梢時計(臓器や組織内の時計)の両方にリセット効果があることが解ってきました。主時計のリセット効果は、運動に伴う覚醒やストレス反応によるもので、特に非活動期に行う運動が主時計のリズムを同調させると報告されています。この作用にはセロトニン神経やGABA神経の活性化が関与しているのです。運動による副時計のリセット効果は、特に運動に関連する肺や骨格筋の時計遺伝子発現をリセットすることが知られています。これにより、運動によって体内時計がリセットされ、身体のリズムを整える効果があるとされます。
つまり、遅い夜の光は主時計を遅くし、夜遅い食事や運動は末梢時計を遅らせ、その結果夜型にさせることに繋がっているのです。
朝型の人と夜型の人では、最高のパフォーマンスが異なる時間帯になることが解っています。
朝型の人では午後3時から5時頃のパフォーマンスが高く、夜型の人では午後10時頃のパフォーマンスが高いという研究結果があります。
朝型が良くて、夜型が悪いのではなく、個人の体内時計に合わせて運動のタイミングを選ぶことで、より効果的な運動ができる可能性があります。また、トレーニング運動も体内時計の影響を受けることが解っています。持久力トレーニングや筋力トレーニングは、タイミングによって筋肉の肥大に影響を与えることが分かっていて、夕方に行うトレーニングの方が朝に行うトレーニングよりも筋肉の断面積を大きくする効果があります。
運動をする際の食事のタイミングも重要です。
食事を食べた後に運動する方が筋肉の成長に有利だという研究結果がありますし、一日の総タンパク摂取量は同じだとしても、朝のタンパク質を多くとった方が、骨格筋等の増加につながることもわかっています。適切なタイミングでタンパク質を摂取することが、筋肉の発達に寄与するのですね。
それではパイナップルを運動前後のどちらで摂取するのが効果的なのでしょうか。実はそれぞれに利点があるのです。
運動前にパイナップルを摂ると、パイナップルに含むタンパク質分解酵素「ブロメライン」が消化を助けるため、食べた食事の消化を助けてくれる効果が期待できます。これによって、運動中に胃の不快感も軽減し、エネルギーを効率的に使うことができるでしょう。また、前述しましたように朝食のタンパク質摂取は夜食べるよりも筋肉増強に役立つことがわかっているため、朝ごはんにパイナップルを取り入れることで筋肉作りにも一役買ってくれることがわかりますね。
生のパイナップルは食物繊維も含みますので、運動前に食べすぎると消化不良を起こす可能性もあります。食べ過ぎには気をつけましょう。
また、運動後にパイナップルを摂ることは、筋肉の回復をサポートする効果が期待できます。パイナップルに含まれるビタミンCや抗酸化物質は、炎症を抑え、筋肉のダメージからの回復を助ける役割がありますし、運動後は糖分の吸収が高まるため、果糖を含むパイナップルは適切な糖分補給にもなります。糖質に着目するのであれば、缶詰なども運動後がおすすめです。
個人の体調や運動強度に合わせて摂取量を調整することが大切ですが、食べ方次第で、健康的で効果的な運動&食事プランを立てることができます。ただし、これらの研究はマウスを用いたものも多いため、人間での効果を裏付けるために様々なエビデンスが必要なことを最後に添えさせていただきます。
従来、「栄養学」といえば「何をどれだけ食べれば健康にいいのか」という観点から考えるのが一般的でした。そこに、新たに「時間」の観点を取り入れたのが「時間栄養学」。
「いつ、何を、どれだけ食べれば健康にいいのか」という考え方です。その際に欠かせないのが「体内時計」。
私たちは体内時計によって朝目覚め、夜寝る(睡眠)、体温や血圧、血糖値などのリズムを整えているのです。2017年のノーベル生理学・医学賞で体内時計が注目されました。肥満やがん、メタボリックシンドロームの治療や予防をはじめとした健康維持・増進に体内時計が重要な関わりを持っていることが明らかになってきています。こうした体内時計を考慮に入れた栄養学のことを時間栄養学と呼んでいます。
私は「時間」という観点から、医学・栄養学・調理学の領域にアプローチすることを専門とし、科学的根拠を基にしたライフスタイルへのアドバイス、栄養指導、実体験を基にした食育活動や講演活動、料理教室も開催しています。また、自身の子育てのなかで得た知見や、クリニックでの栄養指導などを基にした実践的な疑問をテーマに自らの研究に活かしているとことです。いつ食べるかによって生活習慣がどう改善していくのか、企業様の健康経営、幼児教室や保育所、小学校、中学校、塾、学童などの子供たちの 食育を含めた生活改善のきっかけづくりについてお手つだいさせていただいております。
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従来、「栄養学」といえば「何をどれだけ食べれば健康にいいのか」という観点から考えるのが一般的でした。そこに、新たに「時間」の観点を取り入れたのが「時間栄養学」。
「いつ、何を、どれだけ食べれば健康にいいのか」という考え方です。その際に欠かせないのが「体内時計」。
私たちは体内時計によって朝目覚め、夜寝る(睡眠)、体温や血圧、血糖値などのリズムを整えているのです。2017年のノーベル生理学・医学賞で体内時計が注目されました。肥満やがん、メタボリックシンドロームの治療や予防をはじめとした健康維持・増進に体内時計が重要な関わりを持っていることが明らかになってきています。こうした体内時計を考慮に入れた栄養学のことを時間栄養学と呼んでいます。
私は「時間」という観点から、医学・栄養学・調理学の領域にアプローチすることを専門とし、科学的根拠を基にしたライフスタイルへのアドバイス、栄養指導、実体験を基にした食育活動や講演活動、料理教室も開催しています。また、自身の子育てのなかで得た知見や、クリニックでの栄養指導などを基にした実践的な疑問をテーマに自らの研究に活かしているとことです。いつ食べるかによって生活習慣がどう改善していくのか、企業様の健康経営、幼児教室や保育所、小学校、中学校、塾、学童などの子供たちの 食育を含めた生活改善のきっかけづくりについてお手つだいさせていただいております。
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