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健康ラボ

2022.12.28

毎日バナナで腸活のすすめ

成田 亜希子 内科医 / 公衆衛生医師 成田 亜希子

毎日1、2本のバナナで
健康生活のすすめ

バナナには心身に良い多くの健康効果があります。特に腸内環境を整える効果が高いため、「腸活」に適した食材です。また、バナナの栄養素には心を落ち着かせる効果があるものも含まれるためストレスや抑うつ改善も期待できます。
今回は、バナナの健康効果とおすすめの摂り方について医師が詳しく解説します。

バナナがもたらす健康効果とは?

多くの栄養素を含むバナナには、さまざまな健康効果が知られています。まず、どのような効果が期待できるのか見てみましょう。

おいしいだけじゃない!栄養素ぎっしり

バナナは非常に栄養価が高い果物の一つです。主な成分は炭水化物ですが、食物繊維とビタミン類を豊富に含みます。しかもカロリーは1本あたり約100キロカロリー。小腹が空いた時などの気軽な栄養補給にぴったりです。

バナナを食生活に取り入れる効果

多くの食物繊維が含まれるため、便通改善効果が期待できます。特にバナナに含まれる食物繊維は腸内環境を整える働きもあるため、免疫力を高めたり、コレステロール値を低下させたりする効果もあります。
また、バナナに含まれるアミノ酸やビタミン類の中には心を落ち着かせる効果が知られているものもあり、ストレス改善もバナナ効果の一つです。

バナナの腸内環境改善効果

バナナは食物繊維を含むため、腸内環境を整える効果があるとされています。

バナナに含まれるのは不溶性食物繊維!

バナナに含まれる食物繊維の多くは、水に溶けないタイプの「不溶性食物繊維」です。不溶性食物繊維は水分を吸収して膨らむ性質を持ち、腸を刺激してスムーズな排便を促す働きがあります。また、腸内の不要な物質を吸着して便と共に排出する働きもあるため、大腸がんのリスクが低減するとの報告も。さらに、腸内の善玉菌のエサとなるため腸内環境を整える効果も期待できます。

バナナの食物繊維が持つ効果とは?

バナナに含まれる食物繊維の中で特に注目したいのは、「レジスタントスターチ」です。レジスタントスターチとは難消化性でんぷんのことであり、水溶性不溶性の両方の食物繊維の働きを持ちます。そのため、水溶性食物繊維が持つ血糖値やコレステロール値の上昇を抑える効果も期待できます。

バナナの自律神経活性促進効果

多くの神経細胞が備わっている腸は「第二の脳」とも呼ばれ、腸内環境が精神的コンディションに大きな影響を与えると考えられています。
バナナには腸内環境を整えて自律神経バランスを整える効果も期待できます。

腸内環境と自律神経の関係

腸の動きは自律神経によって支配されています。具体的に、腸の運動を活発にするのが自律神経の中の副交感神経で、腸の運動を抑制するのが自律神経です。この副交感神経と自律神経がバランスよく働いていると快適な便通となります。しかし、どちらか一方が強く働くようになると便秘や下痢を引き起こし、腸内環境は悪化していきます。そして、腸内環境の悪化がさらに副交感神経と自律神経のバランスを乱すという悪循環に陥ることも少なくありません。

バナナのストレス・抑うつ改善効果

バナナに含まれるアミノ酸やビタミンは心の安定に必要なセロトニンと呼ばれる物質の原料となります。そのため、バナナにはストレスや抑うつを改善する効果があるとされています。

バナナとセロトニンの関係とは?

セロトニンとは、脳内の神経伝達物質の一つ。興奮を抑えて心を安定させる働きがあります。
このセロトニンはトリプトファンやビタミンB6などが原料となって作られますが、バナナにはこれらの栄養素が豊富に含まれます。

ストレスや抑うつを改善する!

バナナを食べるとセロトニンの原料が取り入れられるため、産生量がアップ。結果として、心が安定してストレスや抑うつ、不安、パニックなどの精神的な症状を改善・予防する効果が期待できるとされています。

バナナの効果を活かす食べ方

バナナにはさまざまな健康効果があることが分かりました。これらの効果を最大限に発揮するため、どのようなことに注意して摂ればよいのか詳しく見てみましょう。

適量を朝かお昼に!

バナナの適量は一日に1,2本です。いくら健康効果が高いとはいえ、摂りすぎるとカロリーオーバーになります。
また、バナナに含まれる果糖は吸収が早いため、身体を動かす朝やお昼に摂るのがおすすめです。夜に摂ると血糖値が上がりやすく、腸が刺激されて安眠の妨げになることもありますので注意しましょう。

カルシウムと一緒に摂ろう!

セロトニンと同じく、脳の興奮を抑える働きを持つカルシウムと一緒に摂るとリラックス効果はさらに高まります。バナナと一緒に牛乳などカルシウムが豊富な飲食物を摂るのがおすすめです。また、カルシウムの吸収をサポートするビタミンDが豊富に含まれる卵類などもしっかり摂るようにしましょう。

まとめ

バナナには腸内環境を整え、心の安定を促すなどさまざまな健康効果があります。バナナは気軽に手に入りやすい果物です。毎日の健康のため、積極的にバナナを取り入れてみましょう。また、食べるタイミングや一緒に摂るとよい食材もぜひ参考にして下さい。

成田 亜希子

成田 亜希子 Akiko Narita

青森県弘前市在住の医師。保健所勤務経験もあり、感染症や、母子保健など医療行政などにも精通している。プライベートでは2児のママ。趣味は旅行とスキューバーダイビング。

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青森県弘前市在住の医師。保健所勤務経験もあり、感染症や、母子保健など医療行政などにも精通している。プライベートでは2児のママ。趣味は旅行とスキューバーダイビング。

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