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栄養

2022.02.13

マグネシウム

高波 紗希 管理栄養士 高波 紗希

「奇跡のミネラル」や「天然の精神安定剤」とも呼ばれるほど、心身共に体内のほとんど全ての生合成
反応や代謝反応に必要な必須ミネラルです。
美容にも健康にもとっても大切な役割のあるマグネシウムですが、日本人の多くが不足しています。
マグネシウムを美味しく賢く取り入れて、心身共に健康なライフスタイルを手に入れていきましょう。

マグネシウムはどんな栄養素?

マグネシウムは、人間のからだに必要な5大栄養素であるミネラルの中の一種です。
ミネラルの中でも1日に100mgの摂取が必要な「必須主要ミネラル」に分類されます。
骨や歯の形成、神経の伝達、筋肉の収縮、300種類以上の酵素の活性化や体温・血圧の調整など、さま
ざまな過程に働き身体機能のバランスに深く関わっている栄養素です。

マグネシウムを多く含む食品

ごまやナッツなどの種実類、海藻類、豆類、煮干しやしらす等の小魚や切干大根、ほうれん草など、昔から日本人が食べてきた和食に多く含まれています。また、果物ではトップクラスでバナナに多く含まれています。

効果的な食べ方とおすすめレシピ

ミネラルであるマグネシウムの吸収には、腸内環境が整っているかどうかがとても重要です。
腸内環境が整っていない状態では、どんなにマグネシウムを摂取しても栄養として吸収することができません。そういった点でも、マグネシウムの補給としてバナナには、腸内環境を整える働きのある食物繊維やオリゴ糖が含まれ、オリゴ糖はマグネシウムの吸収を促進する効果もあるため最強の食材と言えるでしょう。

また、マグネシウムの消化管からの吸収は、カルシウムと同様ビタミンDによって促進されるため、ビタミンDを多く含む魚類や卵、チーズやキノコと食べ合わせることもおすすめです。

実は私達が毎日摂取している塩を変えるだけでもマグネシウムを補うことができます。
昔は塩を作るのに海水を煮詰めていたためマグネシウムが豊富に含まれ、ナトリウムの1/10ほど存在していました。しかし現在は99.9%塩化ナトリウムの精製塩が主体となっています。
塩を選ぶときには昔ながらの海水を煮詰めた塩や岩塩を選ぶことで、お料理も美味しくなり、浮腫にくくもなります。

マグネシウムの体内での働き

美容効果

近年、マグネシウム入りのバスソルトを多く見かけるようになりました。
実はマグネシウムには保湿効果がとても強く、肌の内側で水分をつなぎとめ、乾燥からお肌を守っている潤い成分であるセラミドの中でも、皮膚における透過性バリア(皮膚バリア)の形成において最も重要な脂質である「アシルセラミド」の合成がを高めてくれる効果が期待できます[1]

これによって皮膚のバリア機能が修復してくれることで、乾燥からお肌を守り潤いのあるお肌へと導いてくれます。季節の変わり目の乾燥が気になったり、敏感肌な人にはとってもおすすめです!
入浴剤の場合は経皮吸収ですが、食事からもマグネシウムを意識することで若々しいお肌を保つことができます。

健康効果

マグネシウムには血管を収縮させるカルシウムと密接な関係があり、カルシウムが血管を収縮させるはたらきを抑制し、血圧を正常に保つ役割をします。
そのため、マグネシウムが不足してしまうとカルシウムが血管の収縮を引き起こしてしまうことでし、高血圧のリスクが高くなるため積極的に取り入れることが大切です。

マグネシウムの不足と過剰摂取による影響

マグネシウムは、健常者であれば通常の食生活で摂取する範囲では摂りすぎる心配はなく、仮に過剰に
摂取した場合でも尿中に排泄されるため、過剰症になることはありません。
ただし、サプリメントなどで過剰に摂取した場合は悪心や下痢を伴う可能性があるため注意が必要です。
サプリメントなどの通常の食品以外からの摂取量を成人で1日に350㎎(小児の場合は体重1㎏あたり5㎎)と制限しています[2]

一方で、マグネシウムの一時的な不足は骨からの放出により補うことができますが、慢性的な不足は骨の形成に影響が出るほか、動悸動機や不整脈、筋肉のけいれん、片頭痛偏頭痛や足のつり、気分障害などを引き起こします。
マグネシウムはストレスやアルコールの過剰摂取によっても尿中に溶け出てしまうため、不足しないように意識しましょう。

マグネシウムの食事摂取基準と摂取状況

厚生労働省策定の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日あたりのマグネシウムの推奨量は、成人男性で340〜370mg、成人女性で270〜290mgと設定しています[2]

令和元年の国民健康・栄養調査におけるマグネシウムの1日の摂取量の平均は247.1㎎なため、推奨量と
比較すると不足気味となっています[3]

まとめ

私達のあらゆる代謝機能をサポートしてくれるマグネシウムはとても重要な役割を持っているものの、知らず知らずのうちに不足しがちです。
古くから日本人が食べていた食材を選んだり、手軽に食べることができて持ち運びもできるマグネシウムたっぷりのバナナを味方にするなど、日頃の食事でバランスよく食べることを意識していくことが大切です。

〈参照〉
[1]Yuichi Honda, Takuya Kitamura, Tatsuro Naganuma, Takaya Abe, Yusuke Ohno, Takayuki Sassa,
           Akio Kihara. Decreased Skin Barrier Lipid Acylceramide and Differentiation-Dependent Gene
           Expression in Ichthyosis Gene Nipal4-Knockout Mice. J Invest Dermatol. 2018, 138(4), 741-749.
[2]厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020 年版)
[3]厚生労働省 令和元年国民健康・栄養調査報告

〈参考〉
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-mg.html
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/08.html
https://www.amed.go.jp/news/release_20200121-02.html
https://dm-net.co.jp/calendar/2016/025779.php

高波 紗希

高波 紗希 Saki Takanami

11年間に渡る摂食障害を「食×こころ」と向き合い整えることで克服した経験から、本来の味覚や食欲の取り戻し方やボディイメージに対する価値観、心身のセルフケアについて食を通して発信しています。

食べることに対する罪悪感や生きづらさを感じている方が、食事を心から楽しんで人生が豊かになるように、そのために必要な情報を提供していきたいと考えています。

11年間に渡る摂食障害を「食×こころ」と向き合い整えることで克服した経験から、本来の味覚や食欲の取り戻し方やボディイメージに対する価値観、心身のセルフケアについて食を通して発信しています。

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