メディア担当の方
必須ミネラルのカリウムは、体内で余分な塩分の排出を促すなどの重要な役割を担う栄養素です。効果的に摂取して、カリウムの美容や健康効果を得るコツを紹介します。
カリウムは、体内で合成されないため必ず食物から摂取する必要があるミネラルの一種で、体重のおよそ
40%を占める細胞内液に多く含まれています。
そして、細胞外液に含まれるナトリウムとのバランスを保ち、体液を弱アルカリ性に維持して全身の細胞がうまく働くように調整する役割を果たしています。また、ナトリウムを尿として排出しやすくする作用もあるため、食塩摂取量が多い日本人は、できるだけカリウム豊富な食事が望ましいとされています。
カリウムは、私たちが日常で食べているほとんどの食品に含まれています。
特に野菜や果物、いも類や豆類、海藻に多く含まれています。また、水に溶けやすく、煮る、茹でる
といった調理法で失われやすい栄養素なので、生で食べる果物はカリウム摂取にお勧めです。
特にバナナは、果物の中でもカリウムが多く含まれており、手軽に購入でき、朝食やおやつに取り入れ
やすく、手間をかけずにカリウムを摂取することができます。
国が推奨している1日の食塩摂取量の目標量は、男性7.5g未満、女性6.5g未満とされていますが、実際は男性で10.9g、女性で9.3g(令和元年国民健康・栄養調査報告)も摂取しており、塩分の多い食事に慣れている日本人にとって、減塩は気を付けてもなかなか難しいのが現状です[1]。
そこで、余分なナトリウムを排出する作用のあるカリウムを、血圧を安定させる効果があるカルシウムや、血管を拡張させて血圧を下げる効果があるマグネシウムと一緒に摂れば、余分な塩分を排泄しながら高血圧を予防する効果が期待できます。
カルシウムの吸収率がよいヨーグルトに、トッピングとしてカリウム豊富なバナナや、マグネシウム豊富なナッツ類を組み合わせると、この3種類のミネラルを効果的に摂取することができます。
座り仕事や立ち仕事中心の人に多い足のむくみ。
指で押すとしばらくへこんで戻らないので肌のハリや弾力を失ったように感じられて悩まれる方も多いと
思います。また、高血圧は、成人の2 人に1人は有病者(令和元年国民健康・栄養調査報告)という国民病となっており、日本人にとって最大の生活習慣病のリスク要因です[1]。
いずれも塩分の摂りすぎが原因となりますが、カリウムには、余分なナトリウムの排出を促す働きがあります。
日本人は食塩の摂取量が多いので、カリウムを多く摂取することで、むくみの解消や血圧を下げて高血圧を予防する効果が期待できます。
カリウムは多くの食品に含まれているので、通常の食事ではほとんど不足することはありませんが、嘔吐
や下痢、発汗過多、利尿薬などによりカリウムの排泄量が増えた場合に不足することがあります。
カリウムが不足すると、脱力感、筋力低下、便秘、食欲不振、不整脈などの症状がみられることがあります。
カリウムは、一度にまとめて摂取しても余分なカリウムは排出されてしまいます。腎機能が正常であり、
特にカリウムのサプリメントなどを使用しない限りは、過剰摂取になるリスクは低いと考えられています。
しかし、腎機能が低下すると余分なカリウムを排泄する力が低下して血液中のカリウム濃度が高くなる
場合があります。そのため、腎機能が低下した方は、主治医と相談してカリウム摂取に注意する必要が
あります。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、生活習慣病の発症予防を目的として成人1日当たりのカリ
ウム摂取の目標量を、男性3,000mg以上、女性2,600mg以上としています[2]。
一方、WHOのガイドラインでは、男女とも3,510mg/日を推奨しているように、国内外のガイドラインを参考にすれば、生活習慣病の重症化予防のためには目標量よりも多くのカリウム摂取がよいと考えられています[3]。
厚生労働省が行った「令和元年国民健康・栄養調査報告」の結果によると、1日当たりのカリウムの平均摂取量の総数は2,299㎎、男女別では男性が2,387㎎、女性が2,220㎎となっており、男女とも全ての年代において平均摂取量が目標量を下回っています[1]。
国が策定した「食事バランスガイド」では健康的な食事の目安として野菜は1日350g以上、果物は200g程度食べるのがよいと示されています[4]。
塩分の多い食事に慣れている日本人は積極的にカリウムを多く含む食品を摂ることが重要です。
カリウムは塩分を排出するなど重要な働きをしており、野菜や果物、いも類や豆類、海藻に豊富に含まれています。
マグネシウムやカルシウムと組み合わせて摂取すると、余分な塩分を排泄しながら高血圧を予防することができます。また、カリウムを多く摂ることでむくみの解消や血圧を下げるなど、美容や健康効果が期待できます。
しかし、日本人の平均摂取量は国の定める目標量を大きく下回っているので積極的に摂取したい栄養素です。
過剰に摂取しても健康への影響はないと考えられていますが、腎機能が低下している方は、カリウムの摂取制限が必要になる場合があるので主治医に相談する必要があります。
〈参照〉
[1]厚生労働省 令和元年国民健康・栄養調査報告
[2]厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020 年版)
[3]世界保健機関(WHO) 食塩及びカリウムの摂取に係る新ガイダンス
[4]農林水産省 食事バランスガイド
食事療法に苦労している患者さんや在宅療養中の方の食事支援に取り組んでいます。
どう生きたいか、どう生きてほしいか。食には願いが詰まっています。
これまで病院やクリニックで研鑽を積んできた病態栄養の専門性を活かして、立場や世代で異なる食への向き合い方、思いに寄り添い、体の状態に適した食支援ができるよう取り組んでいきたいと考えています。
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