メディア担当の方
炭水化物が豊富で甘くておいしいバナナとパイナップル。スーパーに行けばいつでも手軽に食べられるので子供から大人まで幅広い年齢層でよく食べられている果物です。
バナナとパイナップルに多く含まれる炭水化物について解説します。
炭水化物は、消化・吸収されるとエネルギーになる糖質と、消化されず腸に到達する食物繊維に分けられます。
糖質は細胞にエネルギーを供給するほか、エネルギーを貯蔵したり、血糖値を維持する働きがあります。
食物繊維は善玉菌をサポートして腸内環境を整える効果があります。
バナナには、エネルギーに変わる速さが異なる数種類の糖が含まれているので糖の利用効率が高く、太りにくいと考えられています。
またバナナに多く含まれる不溶性食物繊維は、腸内の水分を取り込んで便のカサを増やし、腸を内側から刺激して蠕動運動を促進させるので便秘を改善する効果があります。
パイナップルには、ショ糖、ブドウ糖、果糖などの糖質が豊富に含まれています。またこれらの糖質を
エネルギーに変換するのに欠かせないビタミンB1も豊富に含まれているので、糖質のエネルギー効率が
よく、疲労回復を助ける効果があります。
糖質を多く含む食品は、穀類、いも、炭水化物の多い野菜と種実、大豆を除く豆、果物、牛乳とチーズを除く乳製品、砂糖やはちみつなどの甘味類、菓子類、アルコール飲料、嗜好飲料などです。
摂取する糖質量は同じでも、バナナやパイナップルなどの果物は、果糖を多く含む果物は、食物繊維やビタミン、ミネラルなど健康に役立つ栄養素が豊富で、でんぷんが主体の穀類よりも血糖を上げにくい食品です。
間食には、菓子類や甘い飲み物よりも果物がお勧めです。
糖質をエネルギーに変換するために不可欠な栄養素がビタミンB1です。
バナナやパイナップルには糖質が多く含まれていますが、実はビタミンB1も豊富に含まれています。
ビタミンB1は水溶性で熱にも弱く、調理で失われやすいビタミンです。生で食べることができるバナナやパイナップルは、調理による損失がなく、一度に食べる量も多いのでお勧めです。
腸内環境が整っていると肌の状態が改善することが報告されています。
善玉菌の餌になる炭水化物を摂取することで腸内環境を整えることができます。
バナナやパイナップルには、善玉菌の餌になる炭水化物が豊富なので美肌作りに効果的です。
筋肉トレーニングをしても運動パフォーマンスが上がらないのは、エネルギー源の糖質が不足している
可能性があります。
糖質の摂取量が足りないとウォーミングアップの段階でエネルギー切れを起こしてしまうことがあります。また、脳や神経系は糖質を重要なエネルギー源としているため、糖質を運動前に十分に摂取しておくと集中力を保ちパフォーマンス向上につなげることができます。
糖質は、ブドウ糖に分解されてから吸収されます。そして脳や赤血球などのエネルギー源として生命維持に欠かせない栄養素です。そのため糖質制限などで摂取量が減るとエネルギー不足を起こします。
また摂取量が多すぎても肥満を招き、生活習慣病の原因になります。
糖質を摂りすぎると、血糖値が急上昇するので、体内でインスリンが大量に分泌されます。
インスリンは血糖値を下げる働きがありますが、エネルギーとして利用できなかった余分な糖質を中性脂肪に変えて体に蓄える働きもあるので、糖質を食べ過ぎると太りやすくなります。
たんぱく質、脂質、炭水化物は、体の中でエネルギーに変わるので「エネルギー産生栄養素」と言います。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、生活習慣病の発症とその重症化を防ぐため、エネルギー産生栄養素のそれぞれのエネルギー量が、食事全体のエネルギー量の何%に当たるかを算出し、指標としています。
このうち炭水化物のエネルギー量は、50~65%となっています[1] 。
国民健康・栄養調査によると、日本人のたんぱく質、脂質、炭水化物の摂取量は、平均的にはバランスが取れていますが、炭水化物のうち食物繊維の摂取量は、著しく不足しています[2]。
⼼筋梗塞や糖尿病などの⽣活習慣病予防のためには、⾷物繊維を⼗分に摂取する必要があります。
バナナやパイナップルに多く含まれる炭水化物には、生命維持に不可欠なエネルギーの供給源としての働きのほか、美容や健康効果が期待できます。
無理な糖質制限で炭水化物が不足したり、甘い飲み物・菓子類で摂りすぎることがないよう、適度な摂取を心がけましょう。
食事療法に苦労している患者さんや在宅療養中の方の食事支援に取り組んでいます。
どう生きたいか、どう生きてほしいか。食には願いが詰まっています。
これまで病院やクリニックで研鑽を積んできた病態栄養の専門性を活かして、立場や世代で異なる食への向き合い方、思いに寄り添い、体の状態に適した食支援ができるよう取り組んでいきたいと考えています。
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