メディア担当の方
パイナップルといえばハワイ! というイメージを持つ方も多く、また、現在は東南アジアも主な産地に名を連ねていますが、原産地は南米。1493年のコロンブス2回目の航海時に、西インド諸島のグアドループ島で発見されました。しかし、その時点でもう既に改良が重ねられ、広く栽培されていたそうです。つまり、作物として、私たちと付き合いの長い果物がパイナップルなのです。
発見されてからというものの、その唯一無二の味わいを求めて、熱帯地域の植民地ではパイナップル・プランテーションが発展。先を争ってパイナップルの栽培が進められてきました。そんな中で、たくさんの品種が生み出されてきたそうです。
例を挙げると、驚くほどジューシーで風味豊かなブラックアンティグア、熟すと赤みを帯びたチョコレート色となるジャマイカ産のブラッドレッド、とろけんばかりにジューシーなグリーンジャワなどなど。大きさも形も様々、まつかさ型だけでなくピラミッド型のものまでありましたが、それらの品種はもう消滅してしまったそうです。いつものパイナップルを食べながら、そんな昔の品種の数々に想いを馳せるのも楽しいかもしれません。
ここでは、日本のお店で見かけるパイナップルをメインにご紹介します。
果汁がたっぷり。酸味と甘さのバランスがよく、そのまま食べても、缶詰やジュースなどに加工しても美味しいパイナップルです。現在、世界中で最も多く栽培されています。
沖縄生まれの可愛らしいパイナップル。その名の通り、桃のような香りで、柔らかな酸味が人気です。小ぶりで樽のような形をしていて、果肉は熟しても白くて柔らか。芯の部分もあまり気になりません。品種名は「ソフトタッチ」。
「スナックパイン」としてお馴染み。スナック感覚で手で簡単にちぎって食べることができる小型の品種です。マイルドな酸味が特徴。主な産地は台湾ですが、石垣島や沖縄本島でも栽培されています。
台湾パインの主要品種で、正式な品種名称は、台農17号。
大きな果実と、濃厚な香りと甘さ、金鑚パイナップルの名前の由来である黄金色の果肉が特徴で、ゴールデンダイヤモンドパイナップルの別名も持つ。樹上で熟成されてから収穫されるため、酸味は控えめで、果肉はジューシーで柔らかく、芯まで食べることができる。
▶ 金鑚パイン(台農17号)の特徴を見る
台湾パインの一種で、2018年にリリースされたばかりの新しい品種。正式品種名は、台農23号。
丸く、手頃なサイズの果実が特徴で、ジューシーで程よい酸味が人気。パイナップルが弱い高温多湿の夏の時期にも、安定してクオリティの高い果実の収穫を目指して開発された改良品種。
▶ マンゴーパイン(台農23号)の特徴を見る
料理にスイーツにと幅広く使われるパイナップルですが、食材以外でもいろいろ活用されています。
その葉から取り出した繊維で織られるピーニャクロスという布は、軽くて上質。フィリピンの男性の正装用シャツ「バロン・タガログ」を仕立てるのに使われています。
また、フラワーアレンジメントの素材として見かけるようになったのが、鑑賞用のミニパイナップル。ポンとさし入れるだけで、トロピカルなムード満開!ミニチュアのような愛らしい姿が人気です。食用パイナップルの仲間ですが別の種類で、食べることはできません。品種名は「アナナス・アヌス」。ブラジルやスリナムが原産です。
<参考資料>
果実の事典(朝倉書店)
フルーツ検定公式テキスト(実業之日本社)
食材図典(小学館)
からだにおいしいフルーツの便利帳(高橋書店)
パイナップルの歴史(原書房)
トロピカルフルーツずかん2・パイナップル(リブリオ出版)
出版社勤務を経て、1985年に「もくば舎」を立ち上げ、主宰する。
各出版社(政界文化社、小学館、講談社、アスコム、
家の光協会などの単行本、MOOK、雑誌の特集記事などの編集に携わる。
同時にメーカーのPR誌の編集や商品コピーなども手掛ける。
昨今の健康ブームにより、「食と健康」をテーマとして扱う機会が多い。
プロフィールを見る
出版社勤務を経て、1985年に「もくば舎」を立ち上げ、主宰する。
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