メディア担当の方
【背景・目的】
バナナ(CAVENDISH 種)は日本で最も多く消費されている果物であり、フィリピン等の亜熱帯地域で 1 年を通じて栽培される。収穫された未成熟の青バナナはそのまま消費国へ輸出され、国内で熟成し出荷されるが、生産現地ではその一部が未利用のまま廃棄されてきた。我々はこれまで未利用青バナナの高度利用を目的として、青バナナの果実部から調製した粉末を酵素・発酵処理し、免疫賦活能を有する発酵青バナナ末(バナファイン®)の開発を行ってきた。これまで培養細胞を用いた研究で発酵青バナナ末がサイトカイン産生能を上昇させることを確認した。更にマウスを用いたインフルエンザウイルスの感染試験では、生存率改善効果も確認した。本研究では、発酵青バナナ末を経口摂取した際のマウス及びヒトでの免疫賦活効果、特にリンパ球に及ぼす効果を中心とした検討を行った。
【方法】
マウス試験:マウス(BALB/c マウス、8 週齢、雌)を用い、Control 群は蒸留水を経口投与し、発酵青バナナ
末は水溶液に溶かして 0.1 mg/g B.W.(Low dose 群)、0.5 mg/g B.W.(High dose 群)を各群に経口投与した(各
群 5 匹)。10 日間経口投与した後、脾細胞を回収後プレートに播種し、LPS、ConA で刺激を与えて 24 時間、72時間培養後、培養上清中のサイトカイン量を ELISA により測定した。
ヒト試験:健常な男女 28 名(平均年齢 37±12 歳)を対象に単盲検法で試験食(発酵青バナナ末)または対照食
(デキストリン)(各 500 mg/day)の摂取試験を行った。検体摂取 4 週間後に採血を行い、PBMC(末梢血単核細胞)を分離し、更にリンパ球を分取した。分取したリンパ球に LPS で刺激を与えて 24 時間培養後、培養上清中のサイトカイン量を ELISA により測定した。
【結果】
マウス試験:培養上清中の TNF-α を測定した結果、発酵青バナナ末 High dose 群で Control 群と比較して
有意(p<0.001)な発現量増加が認められた。ConA 及び LPS 刺激 72 時間培養上清中の TNF-α を測定した結果、High dose 群(p<0.001)、Low dose 群(p<0.05)で投与量に依存した有意な発現量増加が認められた。
ヒト試験:摂取前と摂取 4 週間後の TNF-α量を比較した結果、LPS 刺激を与えると、発酵青バナナ末を摂取した群では 4 週間後においてリンパ球の TNF-α産生量が有意(P<0.001)に上昇した。マウス及びヒトにおいて発酵青バナナ末の経口摂取により免疫細胞であるリンパ球の反応性(サイトカイン産生量)が上昇したことから、発酵青バナナ末(バナファイン®)は免疫力を高める食品素材であることが示唆された。
発酵青バナナ末(バナファイン)経口摂取による免疫賦活効果の検討
キーワード 発酵 , 青 , バナナ , 経口摂取 , 免疫賦活
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