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健康ラボ

2022.03.14

バナナの栄養とその健康効果

笠岡 誠一 管理栄養士/ 農学博士 笠岡 誠一

バナナの健康効果

バナナは美味しいだけでなく、食べると「ほっ」とできるコンフォートフードでもあります。
そんなバナナは体に良い効果が沢山あります。リラックス効果に、血圧降下など、最新研究の結果をもとに解説していきます。

バナナの栄養・カロリー

バナナは驚くほど多くの栄養素を含んでいます。
エネルギー源となる糖質、便秘を解消する食物繊維、筋肉を作るタンパク質、血圧を下げる効果が知られているカリウムやGABA(ギャバ=γ-アミノ酪酸)など沢山あります。

栄養

水分の次に多いのが炭水化物です。
炭水化物は食物繊維と糖質に分けられますが、バナナは便秘を解消する食物繊維を含んでいます。

タンパク質はいろいろなアミノ酸がつながって出来上がっています。その中の一つ、トリプトファンは
脳内でリラックス成分、セロトニンに変わります。
グルタミン酸は血圧を下げる効果で知られているGABAの原料です。ミネラルの中で血圧を下げる効果で
有名なカリウムも含んでいます。

カロリー

バナナ1本(約100g)で93kcalです。
ご飯1杯(約150 g)234 kcal、食パン1枚(約80 g)198 kcal と比べて低カロリーです[1]。間食
(おやつ)は200 kcalほどが良いと言われています。ショートケーキ1切れで300 kcalほどです。
ケーキの代わりにバナナが良いかもしれませんね。

バナナのカリウムの健康効果

血圧の高い状態が続くと、動脈硬化、脳卒中や心筋梗塞を引き起こす可能性があります。
血圧を下げる栄養素としてはカリウムが有名です。バナナはカリウムを多く含んでいます。

血圧抑制

血圧を上げるのは食塩の構成成分ナトリウムです。
血液で増えたナトリウムが血圧を上げる原因です。カリウムは腎臓でのナトリウムの排泄を促します。
つまり血液中のナトリウムを減らす役割をしています。

バナナのタンパク質(アミノ酸)

糖質だけと思われがちなバナナですがタンパク質も含んでいます。
タンパク質を作っているアミノ酸は20種類で、それ以外に体の働きをスムーズにするアミノ酸が何種類かあります。それぞれに特徴的な役割があります。

血圧抑制

アミノ酸の一種、グルタミン酸はGABA(γ‐アミノ酪酸)の原料です。
GABAは血圧を下げる効果が知られています。イライラした時に血圧が上がるのは交感神経が活発になる
からです。GABAは交感神経の活動を和らげることで血圧を下げてくれるのです[2]

GABAの精神安定

GABAは精神の安定作用もあります。脳の中では興奮と抑制のバランスをとっています。
抑制的な働きをするのがGABAやセロトニンです。GABAを経口摂取することでリラクゼーション効果が
認められたという研究報告もあります[3]

セロトニンの精神安定

アミノ酸の一種、トリプトファンは体の中では作り出せません。
トリプトファンは脳の中でセロトニンに変化して精神状態を安定化してくれます。セロトニンが不足すると抑うつ気分になるとも言われています。
バナナを食べてトリプトファンを補いましょう。

バナナの食物繊維の健康効果

野菜のイメージが強い食物繊維ですが、バナナは食物繊維を含んでいます。
キャベツ100gと同じくらいの1.1g(バナナ100gあたり)含んでいます。バナナは、しっかりとエネルギー補給ができるのと同時に、腸活にも効果的なのですね。

便通改善効果

食物繊維は小腸を通過して大腸に入っていきます。
大腸に残っている体に不要な物を体の外に押し出してくれます。バナナが便秘を解消する理由です。
食物繊維は腸内細菌を増やしたり、血糖値の急激な上昇を防いだりと様々な働きをします。

バナナを毎日食べると健康になれる?

摂取した栄養素も体の中で日々利用されて減っていきます。
栄養タップリのバナナを継続的に毎日摂取してココロもカラダも健康に過ごしましょう!! なぜなら、バナナには多くの健康効果があることが明らかになってきたからです。

バナナの研究

最新研究の結果、バナナには凄い効果があることが分かりました。
血圧が高めの人達に1日120 gのバナナを4週間食べてもらいました。その結果、バナナは血圧を下げる効果が認められました。また、疲労感を和らげる効果も示されました[4]
いずれもバナナに多く含まれるGABAによるものと考えられます。さらに排便がスムーズになるという結果も得られています。
バナナの食物繊維の効果でしょう。

バナナを毎日食べて摂りすぎにはならないの?

「過ぎたるは猶及ばざるが如し」。バナナも同じです。
沢山食べてもより強い効果が得られるわけではありません。なんでも食べすぎは良くありません。朝食に、昼食に、間食に適度に取り入れましょう。

バナナの栄養素の食事摂取基準

普通の食生活にバナナを取り入れるのであれば、タンパク質、食物繊維やカリウムの過剰摂取を心配する必要はありません。
厚生労働省が決めた食事摂取基準があります。「これくらい摂取するといいですよ」という意味の「目標量」のほかに、「これ以上食べないほうがいいですよ」という意味の「耐容上限量」があります。
タンパク質、食物繊維やカリウムは耐容上限量が決められていません。とは言え食べすぎには注意してください。

まとめ

美味しくて「ほっ」とできるバナナは、血圧を下げてくれたり、リラックス効果があったり、便秘の解消に役立ったりと、健康効果が次々と解明されています。
自宅や職場に常備して、毎日食べ続けたいものですね。

〈参照〉
[1]文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)
[2]渡辺正仁, 冨士仁見, 阪上久美子, 田中一彦. GABAシステムと循環. 循環制御. 2005, 26(3), 222-230.
[3]藤林真美, 神谷智康, 高垣欣也, 森谷敏夫. GABA経口摂取による自律神経活動の活性化.
           日本栄養糧学会誌. 2008, 61(3), 129-133.
[4]増田隆昌, 泉仁美, 石川大仁, 瀧本陽介, 積志保子, 堀田拓哉, 大滝尋美, 荒木雄介, 渡辺陽介, 大澤俊彦.
           バナナ摂取がもたらす血圧降下、便通促進、精神安定効果−ランダム化単盲検並行群間比較試験−.
            New Diet Therapy. 2021, 37(3), 3-10.

笠岡 誠一

笠岡 誠一 Seiichi Kasaoka

「管理栄養士が活躍する場を増やす」を目的に、研究・教育・メディア出演などの活動をしています。1993年から研究している「レジスタントスターチ(難消化性デンプン)の腸活への効果」は和食の素晴らしさの要因の一つと考えています。「美味しい」は食べる側の人の心理にもあります。皆様が充実した食生活が送れるよう、食を多面的な視点から捉え情報提供していきたいと考えています。

「管理栄養士が活躍する場を増やす」を目的に、研究・教育・メディア出演などの活動をしています。1993年から研究している「レジスタントスターチ(難消化性デンプン)の腸活への効果」は和食の素晴らしさの要因の一つと考えています。「美味しい」は食べる側の人の心理にもあります。皆様が充実した食生活が送れるよう、食を多面的な視点から捉え情報提供していきたいと考えています。

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